专利摘要:
固体表面から少なくとも1つの汚染物質を除去するための物品、および物品を作るための方法が開示される。一つの態様において、前記物品はPETおよび綿の不織混合物のような支持媒体に結合されたカーボンナノチューブを含む。病院、クリーンルーム、台所、浴室もしくは人間の手を含む、微生物、粒子もしくはの混入が望ましくない領域のような固体表面から、少なくとも1つの汚染物質を除去するための方法も開示される。
公开号:JP2011514810A
申请号:JP2010531023
申请日:2008-10-22
公开日:2011-05-12
发明作者:イレスク、ダニエル;クーパー、クリストファー・エイチ.;ケリー、フイトモア・ビー.;ジャン、ハイ−フェン;トルトラー、トマス・エイチ.;バーニン、アンドレイ;バジパイ、バルドハン
申请人:イレスク、ダニエル;クーパー、クリストファー・エイチ.;ケリー、フイトモア・ビー.;ジャン、ハイ−フェン;トルトラー、トマス・エイチ.;バーニン、アンドレイ;バジパイ、バルドハン;
IPC主号:A47L13-16
专利说明:

[0010] 図1は、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の模式構造である。
図2は、管状のカーボンナノチューブ構造を形成する炭素原子の結晶格子の歪みの模式図である。
図3は、カーボンナノチューブの外側側壁への、カルボキシル基のような化学官能基の結合の模式的な表現である。
図4は、「ドープされた」カーボンナノチューブ中での、結晶格子の構造変化を示す模式図である。
図5は、導電性測定のために使用された4点プローブの模式図である。
図6は、放射性核種のクリーニングワイプに使用されるキレート分子(EDTA)の構造式である。
図7は、キレート分子による金属原子/カチオン(M)の閉じ込めの表現である。
図8は、MWCNT-ポリエステル/セルロースワイプ(BerkshireからのDurX(登録商標)670)のナノ構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)像である。
図9は、マイクロ繊維(BerkshireからのLabX (登録商標)170)へのカーボンナノチューブの付着を示す走査電子顕微鏡(SEM)像である。
図10は、LabX (登録商標)170)媒体へのカーボンナノチューブの共有結合の表現である。
図11は、表3で言及された試料についての生物学的試験結果の写真である。] 図1 図10 図11 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8
[0011] 発明の詳細な記述
本開示の一つの側面において、固体表面から汚染物質を除去するための、カーボンナノチューブを含有する物品が提供される。「汚染物質」とは、好ましくない、もしくは望ましくない元素、イオン、分子、粒子または有機体のうちの少なくとも1つを意味する。]
[0012] 「除去」(またはその任意の変形)は、限定されないが、吸収、吸着、絡まり、および化学的もしくは生物学的相互作用または反応から選択される物理的または化学的現象を用いた、汚染物質の捕捉および保持、破壊、または中和を意味すると理解される。]
[0013] 「化学的もしくは生物学的相互作用または反応」とは、汚染物質を無害なものに変える化学的もしくは生物学的プロセスを通じた、汚染物質との相互作用を意味すると理解される。この例は、還元、酸化、化学変性、および微生物、生体分子に対する物理的損傷、摂食、および包み込みである。]
[0014] カーボンナノチューブは、両端が開いているか、または片方もしくは両方の端が半球状のフラーレンキャップで終端し得る、継目無く同心に巻上げられた、単数または複数のグラフェンのシートで構成された管状構造にある。図1に描かれるように、1つのグラフェンシートで構成されたカーボンナノチューブは「単層カーボンナノチューブ」(SWCNT)と呼ばれ、複数の同心のシートで構成されたものは「多層カーボンナノチューブ」(MWCNT)と呼ばれる。単層カーボンナノチューブは、一般におよそ1〜2 nmの径を持ち、ヒトのDNA(およそ2 nm)に近いが、多層カーボンナノチューブは数十ナノメートルの径を持ち得る。両方のタイプのカーボンナノチューブは理論的に任意の長さとなり得るが、通常は、5 nmないし数ミリメートル、あるいは数センチメートルの長さの範囲にあり得る。] 図1
[0015] 本開示の一つの側面は、渦巻いた管状の、または炭素環の非管状ナノ構造を持つカーボンナノチューブの使用に関する。これらのカーボンナノチューブは、単層、多層またはその組合せであり得、かつ種々の形態をとり得る。例えば、本開示において使用されるカーボンナノチューブは、角型、渦巻き型、マルチストランドの螺旋型、バネ型、樹状型、木型、クモ状ナノチューブ構造、ナノチューブY接合体、竹の形態などから選択される形態を持ち得る。上述した形状のいくつかは、M.S. Dresselhaus, G. DresselhausおよびP. Avouris編、「Carbon Nanotubes: Synthesis, Structure, Properties, and Applications, Topics in Applied Physics. 80. 2000, Springer-Verlag」、および「A Chemical Route to Carbon Nanoscrolls, Lisa M. Viculis, Julia J. Mack, and Richard B. Kaner; Science, 28 February 2003; 299」においてより具体的に定義されており、両方ともここで参照によって組入れられる。]
[0016] 本発明の物品によって表面から除去される粒子は、ナノメートル未満ないし数ミリメートルの範囲のサイズであり得る。「粒径」とは、数分布によって、例えば特定のサイズを持つ粒子の数によって定義される。本方法は、調整された光学顕微鏡、調整されたポリスチレンビーズ、調整された走査プローブ顕微鏡、走査電子顕微鏡、または近接場光学顕微鏡のような顕微鏡技術によって典型的に測定される。ここで記載されたサイズの粒子を測定する方法は、Walter C. McCrone'sらによる、The Particle Atlas, (An encyclopedia of techniques for small particle identification), Vol. I, Principles and Techniques, Ed. 2 (Ann Arbor Science Pub.)に教示されており、それは参照によりここに組込まれる
開示された物品を用いて表面から除去され得る汚染物質の非限定的な例は、限定されないが、流体、粒子、繊維、生物因子、放射性核種、静電荷、またはその組合せ、例えばウイルス、細菌、菌類、カビ、有機および無機化学汚染物質(天然および合成の両方)またはイオンなどを含む。一つの態様において、流体は、水、炭化水素、酸、流体、放射性廃棄物、食料品、塩基、溶媒またはその組合せを含む。他の態様において、放射性核種は、ストロンチウム、ヨウ素、セシウム、ベリリウム、リチウム、ナトリウム、バリウム、ポロニウム、ラジウム、トリウム、水素、ウラン、プルトニウム、コバルト、およびラドンからなる群より選択される少なくとも1つの原子またはイオンを含む。さらに他の態様において、生物因子は、DNA、RNA、および天然有機分子である細菌、ウイルス、胞子、カビ、寄生体、花粉、菌類、プリオンおよびその組合せより選択される分子を含む。炭疽菌、大腸菌型チフス菌(coliforms typhus)、大腸菌、ブドウ球菌、肺炎菌、サルモネラ菌、またはコレラ菌を含む任意の既知の細菌が除去され得ると理解される。同様に、天然痘ウイルス、肝炎ウイルス、またはHIVおよびそれらの変異株を含む任意の形態のウイルスが除去され得る。]
[0017] さらに、本物品はこの汚染物質の除去を達成する一方で、少なくとも部分的にはカーボンナノチューブの存在に起因した、物品の導電性、物品の吸収性を向上させるか、または得られた物品の抗張力を向上させるような、少なくとも1つのさらなる利益を達成する。]
[0018] 一つの態様において、開示された物品は、カーボンナノチューブの濃度が0.01〜99重量%で変わり得、かつ層毎に異なり得るように、組成が層間および/または層内で変化する1つ以上の層で構成される。]
[0019] 一つの態様において、開示された物品は、カーボンナノチューブの微生物捕捉能を利用して支持媒体のクリーニング特性を強化するために、支持媒体の表面または深さ全体に渡ってカーボンナノチューブを注入される。]
[0020] 開示された物品の一つの態様において、大部分のカーボンナノチューブは、歪みの無いカーボナノチューブよりも大きな汚染物質除去親和性を呈するように、結晶欠陥によって歪められる。「結晶欠陥」とは、少なくとも1つの炭素環の中に格子歪みが存在するカーボンナノチューブの管壁中のサイトのことを指す。]
[0021] 「格子歪み」とは、管状シート構造を形成するカーボンナノチューブ原子の結晶格子の、任意の歪みを意味する。図2で例示するように、格子歪みは、非弾性変形、または5および/または7員炭素環の存在、または化学相互作用の後の炭素原子結合の混成度の変化に起因した任意の原子の転移を含み得る。このような欠陥または歪みは、カーボンナノチューブに自然な曲がりを生じさせ得る。] 図2
[0022] 「より大きな汚染物質除去親和性を呈する」というフレーズは、構造の完全性において実現される変化によって、本発明の媒体中でのカーボンナノチューブの使用に起因した、その多孔度、その細孔径分布、その電子伝導性、その流量抵抗、幾何学的制約、捕捉容量またはその任意の組合せが汚染物質除去の強化をもたらすことを意味する。例えば、より大きな汚染物質除去親和性は、個々のカーボンナノチューブの向上した、かつより効率的な吸着または吸収特性に起因し得る。さらに、より多くの欠陥がナノチューブ中に存在するほど、化学官能基を結合するためのより多くのサイトが存在する。]
[0023] 一つの態様において、カーボンナノチューブ上に存在する官能基の数の増大は、得られる物品の除去親和性を向上させる。本開示は、汚染された表面をここで記載された物品に接触させることによって、表面をクリーニングする方法にも関する。一つの態様において、前記表面をクリーニングする方法は、前記表面を「発明の物品」に接触させることを含み、ここで前記カーボンナノチューブは、接触した表面上の少なくとも1つの汚染物質の濃度を、表面上に元から存在する汚染物質の少なくとも50 %、少なくとも75 %、あるいは100 %までの減少のような、本発明の物品で処理された後において未処理の表面ものよりも低い水準に減じるために十分な量で物品中に存在する。]
[0024] ここで記載された物品についての出願は、表面、製品、装置、道具、人員文献、およびクリーンルーム中の生物物質、工業環境、医療環境、家庭環境、職場環境。軍事環境、公共空間、公共輸送機関、自動車、および学術環境のような、汚染された領域の衛生的なクリーニングを含む。いくつかの態様において、この媒体は、電子部品の保護および製造のために、表面から電荷および/荷電粒子を除去または低減させることについて、電子産業に有用な特性も持つ。他の態様において、この媒体は、放射性物質を扱う研究室または産業において、表面上に残された放射性残留物の除去に使用され得る。]
[0025] いくつかの態様において、ここで記載された物品は、以下の非限定的な場所で使用され得る:家庭(例えば、風呂場の表面、台所、電話およびドアノブのような家庭での表面消毒)、娯楽(例えば、子供の玩具の表面処理、スポーツ用品、キャンプ用途)、工業(例えば、帯電防止ワイプ、溶媒再生、有毒化合物浄化)、行政機関(例えば廃棄物処理、資源除染)、および医療(例えば、手術室消毒、外傷および外科処置)。]
[0026] 種々の態様において、開示された物品は、使い捨てのワイプ、再利用可能な布、衣料品、雑巾、モップ、ブラシ、パッド、または創傷被覆材の形態をとり得る。これらの形態のうちで、本発明の物品は、抗菌性、抗ウイルス性、帯電防止性、またはその組合せで作られ得る。]
[0027] 他の態様において、本発明の物品は、表面からの汚染物質の除去をさらに強化するために、予め液体を染み込ませされ得る。このような物品を用いる方法も開示される。あるいは、物品、またはクリーニングされる表面を、本発明の物品に接触させる前に湿潤させる方法も開示される。例えば、一つの態様において、接触の前に液体が物品または固体表面の少なくとも1つに適用される方法が開示される。]
[0028] 使用され得る液体の非限定的な例は、アルコール、界面活性剤、洗剤、および殺菌剤の、水溶液または非水溶液を含む。]
[0029] カーボンナノチューブの処理
本開示において、カーボンナノチューブは、それらの化学的および/または物理的性質を変えるための、化学的および/または物理的処理を受けてもよい。例えば、一つの態様において、カーボンナノチューブは、限定されないが、酸素を含むガス、硝酸、硫酸、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、およびその組合せより選択される酸化剤で化学的に処理される。酸化剤で処理されたカーボンナノチューブは、化学的な捕捉親和性、沈着された流体中でのナノチューブの分散のいずれかに関して、または官能化の可能性(例えば、特に官能化される能力を持つ)から、独特の特性を与え得る。これらの処理は、先に定義された意味において、典型的に、得られた物品が、より大きな汚染物質親和性を呈することが可能になるように実行される。]
[0030] ここで記載された処理は、例えば、蛋白質、炭水化物、高分子、芳香族もしくは脂肪族アルコール、核酸、またはその組合せより選択される有機化合物を含む少なくとも1つの分子もしくはクラスターが、カーボンナノチューブに結合できるようにする。]
[0031] ここで使用される「化学的または物理的処理」とは、1)カーボンナノチューブ製造プロセスから生じた非晶質炭素、酸化物または痕跡量の副生成物を除去するため、2)カーボンナノチューブの表面上に高い欠陥密度をもたらすため、または3) 所望のゼータ電位(ここで参照によって組入れられるJohnson, P.R., Fundamentals of Fluid Filtration, 2nd Edition, 1998, Tall Oaks Publishing Inc.において定義される)を持つ特定の官能基を結合するために十分な時間での、酸、溶媒、酸化剤、プラズマ処理または照射による処理を意味する。これらの化学処理は、表面からの目的とする汚染物質の特定の組のための、本発明の物品の除去親和性を十分に向上させるために、カーボンナノチューブの表面化学を変えるように働き得る。]
[0032] ここで使用されるように、「官能化された」(またはその任意の変形)とは、ゼータ電位のようなナノチューブの特性を変え得る、表面に結合された原子または原子群を有するカーボンナノチューブのことを言う。官能化は、一般に、湿式化学、または蒸気、ガスもしくはプラズマ化学を含む化学技術、およびマイクロ波補助化学技術を使用し、カーボンナノチューブの表面に物質を結合させるために、表面化学を利用してカーボンナノチューブの表面を修飾することによって実行される。これらの方法はカーボンナノチューブを「活性化」させるために使用され、それは、少なくとも1つのC-CまたはC-ヘテロ原子の結合を切断し、それにより、分子またはクラスターをそこに結合するための表面を与えるものとして定義される。図3に示すように、官能化されたカーボンナノチューブは、外側側壁のような、カーボンナノチューブの表面に結合されたカルボキシル基のような化学基を含む。さらに、ナノチューブの官能化は、官能基が順次ナノチューブに付加され、特定の所望される官能化ナノチューブに達する多段階手順を通じて起こり得る。] 図3
[0033] 官能化されたカーボンナノチューブは、不均一な組成および/またはカーボンナノチューブの表面中の官能基のタイプもしくは種を含む官能基の密度を含み得る。同様に、官能化されたカーボンナノチューブは、カーボンナノチューブの表面中の官能基の実質的に均一な勾配を含み得る。例えば、1つのナノチューブまたはナノチューブの集合のうちの長さを減らすかのいずれかで、多くの異なる官能基の種類(すなわち、ヒドロキシ、カルボキシ、アミド、アミン、ポリアミンおよび/または他の化学官能基)および/または官能化の密度が存在し得る。]
[0034] 他の態様において、カーボンナノチューブは、表面からの汚染物質の除去および/または修飾を補助するために十分な量でそこに結合されるか、またはそこに位置している原子、イオン、分子またはクラスターを含む。]
[0035] さらに、繊維および/またはナノ粒子のような物品の他の成分は、それらのゼータ電位および/または架橋能を変化させ、それにより、物品の汚染物質除去能を向上させるために、化学基、修飾もしくはコーティングまたはその組合せによっても官能化され得る。]
[0036] 特定の官能化を実行する非限定的な例は、カーボンナノチューブを酸の混合物中で還流させるものであり、それはカーボンナノチューブのゼータ電位を変化させ、それによって、汚染物質を除去および/または保持するそれらの能力を向上させることができる。任意の理論に結び付けられなくとも、このようなプロセスはナノチューブの表面上の欠陥の数を増加させ、カルボキシ官能基をカーボンナノチューブ表面の欠陥箇所に結合させ、それにより、水中でのカルボキシ官能基の負電荷特性によりナノチューブのゼータ電位を変化させることが信じられている。]
[0037] 他の態様において、カーボンナノチューブは、有機および/または無機受容体を含む官能基、または天然またはバイオ工学処理の細胞(細菌、ナノバクテリアおよび極限環境バクテリア)のための構造および支持体を提供するいずれかのための、大表面積の分子足場のためにも使用され得る。カーボネート沈着物およびロック(rock)の中のナノバクテリアの形を含むナノバクテリアの例は、ここで参照によって組込まれる以下のR.L. Folk, J. Sediment. Petrol. 63:990-999 (1993), R.H. Sillitoe, R.L Folk and N. Saric, Science 272:1153-1155 (1996)の中に認めることができる。]
[0038] 特定の有機および/または無機受容体を含有する官能基の付加は、表面からの特定の汚染物質の除去を選択的に標的とし得る。ナノチューブに支持された天然またはバイオ工学処理細胞は、特定の生物活性のある汚染物質を、消費、代謝、中和、および/または生体内鉱質化し得る。]
[0039] この発明の他の側面において、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ材料、または任意のそのサブアセンブリは、電磁または粒子ビーム照射で処理され得る。この態様において、放射は、1) 少なくとも1つの炭素-炭素または炭素-ヘテロ原子の結合を切断するため、2)ナノチューブ間、ナノチューブと他のナノ媒体構成物間、またはナノチューブと基板間の架橋を実行するため、3)粒子打ち込みのため、4) カーボンナノチューブの化学処理を誘起させるため、またはその任意の組合せのために十分な量で、ナノチューブに作用する。放射は、ナノ媒体構造内に不均一な欠陥構造を生じさせる、ナノチューブの異なる量(例えば、放射の異なる貫通度に起因する)をもたらし得る。これは、カーボンナノチューブに結合される官能基および/または粒子の密度の変化による、性質の変化を与えるために使用され得る。]
[0040] さらに、本開示によるカーボンナノチューブは、物質および/または1つ以上の粒子で被覆されるかまたは装飾されるかによって修飾され得、表面からの汚染物質の除去を補助するか、または、機械的強度、バルク導電性、またはナノ機械的特性のような他の性能特性を向上させる。被覆または装飾されたカーボンナノチューブは、官能基とは異なり必ずしもナノチューブに化学的に結合されている必要はなく、かつ物品の汚染物質除去特性を向上させるために十分なナノチューブの表面積を被覆する材料の層および/または1つ以上の粒子で被覆されている。ここで使用される「装飾された」とは、部分的に被覆されたカーボンナノチューブを指す。「クラスター」とは、任意の化学または物理結合によって結合された少なくとも2つの原子または分子を意味する。]
[0041] ここで記載された物品中で使用されるカーボンナノチューブは、流体からの汚染物質の除去を補助するために、構成要素にドープされ得る。ここで使用される「ドープされた」カーボンナノチューブとは、六角形炭素の巻上げられたシートの結晶構造中に、炭素以外のイオンまたは原子が存在することを指す。図4に例示するように、ドープされたナノチューブは、六員環中の少なくとも1つの炭素が炭素以外の原子で置き換えられていることを意味する。] 図4
[0042] 支持媒体
ここで記載される支持媒体は、紙、または織布構造、ニット構造、不織構造、またはその組合せを含む布地のような繊維材料を含み得る。]
[0043] 一つの態様において、布地は、化学作用または機械作用により、その長さに沿って裂くことのできる多成分もしくは二成分繊維またはヤーンを含み得る。]
[0044] 他の態様において、布地は、マイクロデニール(microdenier)繊維を含み得る。布地は、合成繊維、天然繊維、天然成分を使用した人造繊維、またはそのブレンドを含み得る。]
[0045] 他の態様において、天然繊維は、ウール、綿、絹、ラミー、ジュート、亜麻、マニラ麻、木材パルプ、またはそのブレンドを含む。]
[0046] ここで記載される人造繊維は、再生セルロース、リヨセル(lyocell)もしくはそのブレンドのような天然成分を含み得る。]
[0047] 合成繊維を構成するポリマー材料は、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアラミド、ポリウレタンまたはそのブレンドから選択される単成分または多成分ポリマーを含む。他の材料は、ナイロン、アクリル、メタクリル、エポキシ、シリコーンゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、アラミド、ポリカーボネート、ポリクロロプレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリパラピレンテレフタルアミド、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)、およびポリエステルエステルケトン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタート、バイトン(Viton)フルオロエラストマー、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、およびその組合せを含み得る。]
[0048] 一つの態様において、カーボンナノチューブを含有する「本発明の物品」は、合成繊維を含む。このような繊維の非限定的な例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリブチレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニルのようなハロゲン化ポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステル、ポリエステル/ポリエーテル、ナイロン6およびナイロン6,6のようなポリアミド、ポリウレタン、ならびにこのようなモノマーの任意の組合せにおけるホモポリマー、コポリマー、またはターポリマーなどを含む。ポリエチレンテレフタレート(PET)とセルロース繊維の組合せ(BerkshireからDURX 670(登録商標)の商品名で市販されている)は、有用な支持媒体として特に注目される。]
[0049] 言及したように、先述した材料は、限定されないが、ニット、織布、不織布、膜、泡、紙、および/またはその組合せを含む任意の形態で構築され得る。]
[0050] 作用機序
任意の理論に結び付けることを望まないが、ここで記載された「物品」の構造は、表面から微生物、病原体または化学汚染物質を引き込んで捕捉するために化学的および/または物理的力を用いる、独特な、ナノスコピックな相互作用区域を形成する。表面接触力が細胞膜を崩壊させるか、または内的な細胞傷害を生じさせ、したがって、微生物もしくはそれらの再生能力を無力化および/または破壊することが可能となる。典型的な微生物細胞内の浸透圧が周囲の流体のものよりも高いので、非生理的条件と仮定すれば、細胞壁に対する僅かな損傷でさえ、細胞の内容物が高圧から低圧に流れるような完全な破裂を生じさせる。]
[0051] さらに、理論に結びつけられなくとも、カーボンナノチューブは細菌およびウイルスの再生能力または宿主細胞への感染能力を破壊し、感染不能にさせると信じられている。このようにして、表面は微生物について有効に滅菌される。]
[0052] さらに、本発明の物品中に含まれるカーボンナノチューブを特定の化学基で化学的に修飾する能力は、化学プロセスの使用を通じて、活性な汚染物質捕捉を導入することを可能にする。化学的捕捉の一つの非限定的な例は、化学試薬を取込み、汚染物質を固定する特定の汚染物質トラップを含むキレート剤の作用である。]
[0053] 本発明の一つの態様において、放射性材料をクリーニングするためのワイプが開示される。このようなワイプは、原子力発電所から、高度技術研究所、診断ツールに造影剤を用いる病院に至るまでの範囲に渡る産業において、表面を放射性材料から除染するための需要を満足する。]
[0054] 表面から放射性汚染物質を除去するための、ここで記述した官能化カーボンナノチューブ含有物品を使用する例は、1) 表面から放射性汚染物質を分離するために、界面活性剤溶液を適用すること、2)飽和して沈殿した多孔質またはゲル様の親水性媒体のいずれかによって、汚染された液相を吸収することを含む。]
[0055] カーボンナノチューブが界面活性剤分子の疎水性端に対して非常に大きな親和性を持つので、それらは、汚染物質に結合した後に、このような分子を捕捉するために有効に使用され得る。これは、水のような過剰量の溶媒を吸収することなく、表面から界面活性剤部分に結合した放射性汚染物質の特異的な除去を提供するはずである。]
[0056] この態様に使用されるマットを作るために必要なカーボンナノチューブの適切なグレードは、バッキーペーパー様の構造中で固定できるほどに十分長いものであろう。その後、この材料は、より長いものに対して架橋されるより短いカーボンの添加によって強化され得る。他の態様において、多層カーボンナノチューブは、表面からのクリーニング液体全量の吸収を提供する、非常に嵩高いシリカゲル種または超吸収ポリマー(SAP)で官能化され得る。]
[0057] 重金属汚染物質およびそれらの放射性同位体の特異的吸着を提供するために、キレート化学が用いられる。一つの態様において、カーボンナノチューブは、エチレンジアミン四酢酸EDTA誘導体の添加によって官能化され得る(図6)。多座配位子であるこのような分子は、いくつかの配位サイトを介した金属原子との多重結合を提供し、これらの配位子がカーボンナノチューブの表面上に共有結合的に固定される場合は、対応する不純物の非常に効率的な捕捉を可能にするはずである。この模式図は図7に提供され、ナノチューブは単純化のために示されていない。] 図6 図7
[0058] 本開示は、本開示の単なる例示を意図した、以下の非限定的な例によってさらに説明される。]
[0059] 例
例1:発明の表面ワイプ
この例は、本発明の一つの側面によって作られるワイプ、特にポリエチレンテレフタレート(PET)ポリマー繊維およびセルロース繊維のブレンドで構成された不織布中に組込まれたカーボンナノチューブ(CNT)を含むものの製造を記述する。このような不織布材料は市販されており、Berkshire CorporationからDURX 670(登録商標)の商品名で販売されている。以下に記載するように、大きな表面積および電気伝導性の独特な特性に起因して、不織布へのカーボンナノチューブの添加は、水保持特性および帯電防止特性を強化することがわかっている。]
[0060] 発明の表面ワイプの概観
短いMWCNT(およそ1〜50μmの長さ)および極めて長いMWCNT(およそ3〜5 mmの長さ)の両方が化学的に官能化され、その後、超音波および高圧(10,000〜20,000 psi)微小溶液操作(microfluidization)技術を用いて、負に帯電したイオン性界面活性剤を含む水中に分散される。陰イオン性界面活性剤は、最終製品から濯ぎ落とすことが容易であるように具体的に選択された。]
[0061] 極めて長いMWCNTの役割は、布地中の隣接するPETおよびセルロース繊維の間の空隙を架橋し(図8)、布地の電気伝導性を向上させることであった。短いMWCNTの役割は、不織繊維マトリクス内での挟み込み(interleave)、および溝および裂け目のような不織布中のPETおよびセルロース繊維の表面粗さ要素と結合することである。] 図8
[0062] それらのサイズが大きいので、界面活性剤が存在しても、XLバンドルはポリマー繊維の表面上の裂け目および溝の深くまで容易に侵入しなかった。したがって、XLカーボンナノチューブが単独で使用される場合、布地は活性材料の点分布、および一貫性の無い電気的特性を有していた。他方で、XLバンドルが存在しても、より短いMWCNTは表面の裂け目接続中に深く侵入し、ポリマー繊維と結合した。しかしながら、より短いMWCNT単独では、長距離の電気伝導性を容易に達成できる長さをもっていなかった。]
[0063] より均一な特性を有する集積構造を達成するために、長いCNTと短いCNTの混合物が使用された。このアプローチの結果は、その表面中に比較的似通った電気的特性を有する均一な灰色の布であった。さらに、不織布媒体中への短いMWCNTのより深い侵入および不織布媒体との結合の結果、このアプローチは、より短いCNT単独で使用した場合と比較して、カーボン材料の脱落を低下させ、かつ面内電気伝導性を著しく増加させた。]
[0064] 製造手順
MWCNT懸濁液の調製
使用に先立ち、1 gの未処理の短いMWCNTを、1000 mLの逆浸透(RO)水中に分散させ、100μmのオリフィスを具備するZ型プロセスチャンバーを有する高(20 kpsi)圧力差微小溶液操作デバイスを用いて機械的に官能化された。]
[0065] 1回分200 mgのXL MWCNTを、Bransonウォーターバス超音波処理装置中に浸漬されたガラスフラスコ中で、80℃にて1時間の間、70 %硝酸中で洗浄することによって化学的に官能化した。このプロセスは、MWCNTの表面にカルボキシ基を結合することで知られている。これらの官能化されたXL MWCNTを、その後、少なくとも5.5のpHに至るまで、RO水で濯いだ。濯がれたXL MWCNTを、その後、1重量%の陰イオン性界面活性剤を含有する1000 mLのRO水中に懸濁させた。この混合物を、高圧力差微小溶液操作デバイスを通過させる前に、高出力で15分間超音波処理した。]
[0066] 1 g/Lの短いMWCNTの懸濁液1000 mLと、0.2 g/LのXL MWCNTの懸濁液1000 mLを併せることによって、2000 mLの懸濁液を調製した。得られた2000 mLの混合物を、Branson 900 BCA型超音波処理装置を用いて、高出力で15分間、プローブ超音波処理した。この混合されたMWCNT懸濁液は、MWCNT-インクと呼ばれる。]
[0067] ベース布媒体の予備調製
入荷された条件のままの5.5"×5.5"平方のDURX 670(登録商標)を水中に浸漬し、浴中で15分間超音波処理した。この工程は、1) 布媒体の表面をクリーニングし、2)布地の表面の構造を緩め、さもなくば緊密なバンドル中で互いに結束されている繊維を分離し、3) 繊維の表面上の局所的な地形(溝、裂け目など)の露出を助ける。これらの効果の全ては、得られる物品中でMWCNTがその上に接続される有効表面の増大を助ける。]
[0068] CNTを注入された物品の製造
個々の、予備調製された5.5"×5.5"片のDURX 670(登録商標)不織布ベース媒体に、磁気攪拌機を用いて、2リットルのMWCNT含有インク中で15分間回転させることによって、MWCNTを注入した。]
[0069] MWCNTを注入された物品をMWCNT含有インクから取り出し、平らなアルミニウム箔上に置いた。MWCNTを注入された物品を伴うアルミニウム箔をオーブン中に置き、110〜115℃で30分間加熱した。]
[0070] 入荷されたままのDURX 670(登録商標)についての予備試験は、100℃を超える加熱が、布地に対して、主として材料の指向性生地に沿っておよそ5 %の巨視的な収縮を生じさせることを示した。ポリマー繊維が収縮するので、繊維と、それらの表面上の溝および裂け目との間の空間のサイズも著しく減少し得、布の繊維構造内でのCNTのより良好な保持をもたらす。]
[0071] 加熱、乾燥の後、CNTを注入された布を再び清浄な流水中で30分間「回転洗浄」し、組込まれていないあらゆるMWCNTをナノ媒体から濯ぎ落とし、再びアルミニウム箔上に配置し、60〜90℃で30分間、オーブン中で乾燥させた。]
[0072] 評価手順
水保持
入荷したままの条件の5.5" ×5.5"平方のDURX(登録商標)670を、加工されたCNT注入DURX(登録商標)670片と比較した。加工された材料は、元々5.5"×5.5"のサイズであったが、熱処理の間に収縮を生じ、これらの材料の小片の面積を多少減じる一方でそれらの質量は保持された。]
[0073] 吸着された湿気を異なる媒体試料から除去するために、加工された布と入荷されたままの布の両方の「乾燥」試料を、真空オーブン中に配置し、90℃で15分間加熱した。その後、材料の各片を個々に計量し、その後、およそ30秒間水中に完全に浸漬させた。2つの隣接した角から、ピンセットを用いて引き上げることによって、布の各片を水から取り出した。このプロセスの間、過剰な水を除去するために、布をビーカーの縁と接触させたままにした。]
[0074] 材料を空気中で30秒間吊るして保持した後、総重量を測定した。この浸漬および測量手順は、布サンプル毎に2人で5〜10回実行された。浸漬後の重量および水分含有量は、試料毎に初期乾燥重量を差引くことによって計算され、平均された。]
[0075] 電気抵抗測定
シート電気抵抗を、全ての場合で同じ重量を用いた材料に押し付けた2"×2"四点プローブを用いて測定した(図5)。] 図5
[0076] 抗微生物試験
MWCNTで処理されたDURX(登録商標)670布と未処理のDURX(登録商標)670布の両方を、滅菌された1 L瓶中に配置し、およそ5分間の間、70 %エタノールに浸漬した。液体をその後排出し、瓶を清浄なオーブン中に50℃でおよそ1時間置いた。この期間の終了時に、入荷されたままの布とCNTを含有するものの両方が完全に乾燥された。]
[0077] およそ108 CFU/mLの大腸菌のストックが、1:100希釈によって106 CFU/mLに減じられた。滅菌された雑巾を用いて、細菌を含有する液体を2つの無菌ガラス板に塗布し、その後、滅菌されたピンセットで保持された2つの1"×1"布の試料(MWCNTを有するものと、そうでないもの)を用いて、拭いて乾燥させた。2つの布の小片を、10 mLのトリプティックソイブロス(TSB)培養媒体を含む管の中に配置した。ガラス板は、TSBブロス中に浸漬された雑巾で表面を拭くことによって、痕跡量の細菌について検査された。同様に、雑巾は10 mLのTSBブロス中に配置された。ネガティブコントロールを含む全ての標本を、37℃で一晩インキュベートした。]
[0078] 先に記載した試験の概要を表1に与える。]
[0079] 上記結果は、入荷されたままのDURX(登録商標)670布と、CNTを含有する布の両方からのネガティブコントロールは、細菌の痕跡を示さなかったことを表す。TSB培養媒体は透明であった。ガラス板表面から細菌含有液体を拭き取るために使用された未処理のポリマー綿布は、さらなる細菌の成長を阻害しなかった。TSB培養媒体は濁っていた。対照的に、CNT含有布は、細菌の成長を抑制した。細菌が殺菌されたか、または単に不活性化されたかは定かでないが、TSB培養媒体は透明であった。さらに、両方のガラス板は、細菌に対して陰性であることが検証された。TSB培養媒体は透明であった。]
[0080] 例2:共有結合された抗微生物性、防止性、吸着性物品
この例は、本発明の一つの側面によって作られた抗微生物性、防止性、吸着性ワイプ、特に、不織布Lab(登録商標)170布中に組み入れられたカーボンナノチューブ(CNT)を含むものの製造を記述する。付加されたモノマー官能基を有する多層カーボンナノチューブ(MWCNT)を含む媒体が、LabX(登録商標)170ワイプ媒体の抗静電放電性および抗微生物特性を増強する目的のために、LabX(登録商標)170中に組込まれる。]
[0081] 製造手順
CNTの官能化
5 mgの、未加工の短いMWCNTを70 %硝酸中で、80℃にて2時間酸化させた。これらのカルボキシル化MWCNTを、洗浄水中でpHが少なくとも5.5に到達するまで、残留する酸を除去するためにRO水で連続的に洗浄した。洗浄されたMWCNTをその後、483 mLのRO水中に再び懸濁させた。]
[0082] 15 mLのHClおよび2 mLのグリコールを順次添加し、懸濁液の体積を500 mLにした。次に、懸濁液をBRANSON 900 BCA超音波処理装置で、75 %の効率(8.45 KWH)にて1時間超音波処理した。2.5グラムのヘキシルデシルトリアンモニウムブロマイド(HDTAB)界面活性剤を添加し、懸濁液をさらに10分間超音波処理し、良く混合された500 mLの、グリコールで官能化されたMWCNTの懸濁液を得た。]
[0083] 自己集積による試料調製
2"×2"の不織布(LabX(登録商標)ワイプ媒体)小片を切断し、2 %HCl溶液中に70℃で2時間浸漬した。これらの酸処理された布地片を、500 mLの、グリコールで修飾されたカーボンナノチューブの懸濁液中に浮かせた。試料布の小片を、異なる時間で懸濁液から取り出し、RO水で数回洗浄し、その後100℃で4時間乾燥させた。]
[0084] 性質決定
走査電子顕微鏡
LabXワイプ媒体上に自己集積されたMWCNTについてSEM像を撮った。LabXワイプ媒体が、主に繊維で構成されていることがわかった。SEM像は、labx 170媒体中のポリマー繊維が、表面中に良好に組み入れられるか、表面に結合していると思われるカーボンナノチューブで良好に被覆されていることを示す。]
[0085] 熱重量分析
TGA分析から得られた結果は、カーボンナノチューブの表面上で達成される化学修飾の程度を与える。表2に示すように、主としてカルボキシル基をカーボンナノチューブの表面上に付加する酸化工程の間、官能化によって、重量で0.8 %の増加が得られることがわかった。エチレングリコール分子との反応の後に、さらに重量で0.3 %の増加が観察された。したがって、重量で0.3 %の増加は、図10に示すようなエチレングリコールの結合に起因する。]
[0086] 電気抵抗測定
上記例1に記載したように測定されたLabX(登録商標)ワイプ媒体の抵抗は、不織布媒体中にカーボンナノチューブを組み入れた後に、測定に堪えるほど変化した。未処理のLabX(登録商標)試料は、非導電性(抵抗〜∞)であることがわかったが、MWCNTで処理されたLabX(登録商標)ワイプ媒体は比較的導電性がある(抵抗〜30 kΩ/square)ことがわかった。]
[0087] 生物学的試験結果
滅菌コントロールは、植菌から24時間ないし7日の間のいずれの時間も、全く成長を示さなかった。表2は、一晩のインキュベーションの後に成長を示したポジティブ成長コントロールと共に試験された試料の組を記載する。最も右側の濁った外観の管は、細菌の成長を表すものとして注目される。また、溶液中に細菌の成長がないことを表す、図2中の左側の7つの溶液の透明度も注目される。汚染された材料の1"×1"試料を含むチューブのいずれも、植菌の7日後に全く成長を示さなかった。このことは、CNTで被覆された媒体が比較的長時間の間、強い殺菌/制菌特性を呈することを示す(図11参照)。] 図11 図2
[0088] 水保持
比較のための水吸収試験が実行された。LabXワイプ媒体中へのカーボンナノチューブの組入れが、水吸収速度を減じることがわかった。手付かずのLabX媒体は、ほぼ瞬間的に1滴の水を吸収するが、CNTで修飾されたLabX媒体は、同じ水滴を吸収するために4〜5秒を要した。]
[0089] 特に表示しない限り、原料の量、反応条件、ならびに明細書および請求項で使用されるものを表現する全ての数は、全ての例において「およそ」という語によって修飾されると理解される。したがって、他に示さない限り、以下の明細書および添付の請求項に記載された数値パラメータは、本発明によって獲得することが求められる所望の特性に依存して変化し得る概算値である。]
[0090] 本発明の他の態様は、明細書の考慮、およびここで開示される発明の実施から、当業者に明らかであろう。明細書および例は単なる例示を意図するだけであり、本発明の真の範囲は以下の請求項により示される。]
权利要求:

請求項1
固体表面から少なくとも1つの汚染物質を除去するために十分な量でカーボンナノチューブを含有する物品。
請求項2
前記カーボンナノチューブが、結合される少なくとも1つの官能基、分子またはクラスターを有する請求項1の物品。
請求項3
前記カーボンナノチューブが少なくとも1つの欠陥を有する請求項1の物品。
請求項4
前記カーボンナノチューブが、単層、二層、もしくは多層カーボンナノチューブ、またはその組合せから選択される請求項1の物品。
請求項5
前記カーボンナノチューブが少なくとも5 nmの長さである請求項1の物品。
請求項6
前記少なくとも1つの分子またはクラスターが、蛋白質、炭水化物、ポリマー、芳香族もしくは脂肪族アルコール、核酸、またはその組合せから選択される有機化合物を含む請求項2の物品。
請求項7
前記汚染物質が、流体、粒子、繊維、生物因子、放射性核種、静電価、またはその組合せから選択される請求項1の物品。
請求項8
前記流体が、水、炭化水素、酸、流体、放射性廃棄物、食料品、塩基、溶媒またはその組合せを含む請求項7の物品。
請求項9
前記放射性核種が、ストロンチウム、ヨウ素、セシウム、ベリリウム、リチウム、ナトリウム、バリウム、ポロニウム、ラジウム、トリウム、水素、ウラン、プルトニウム、コバルト、およびラドンの元素から選択される少なくとも1つの原子またはイオンを含む請求項7の物品。
請求項10
前記生物因子が、DNA、RNA、および天然有機分子である細菌、ウイルス、胞子、カビ、寄生体、花粉、菌類、プリオンおよびその組合せから選択される分子を含む請求項7の物品。
請求項11
前記細菌が、炭疽菌、大腸菌型チフス菌、大腸菌、ブドウ球菌、肺炎菌、サルモネラ菌、またはコレラ菌を含む請求項10の物品。
請求項12
前記ウイルスが、天然痘ウイルス、肝炎ウイルス、またはHIVおよびそれらの変異株を含む請求項10の物品。
請求項13
前記物品が、前記カーボンナノチューブのための支持媒体をさらに含む請求項1の物品。
請求項14
前記支持媒体が、セラミック、カーボンまたはカーボンベースの材料、金属または合金、ポリマー材料、および繊維材料より選択される材料を含む請求項13の物品。
請求項15
前記繊維材料が、紙、または織布構造、ニット構造、不織布構造、もしくはその組合せを含む布地である請求項14の物品。
請求項16
前記布地が、化学的または機械的作用によって、それらの長さに沿って裂くことのできる多成分もしくは二成分繊維またはヤーンを含む請求項14の物品。
請求項17
前記布地が、マイクロデニール繊維を含む請求項14の物品。
請求項18
前記布地が、合成繊維、天然繊維、天然成分を使用した人造繊維、またはそのブレンドを含む請求項14の物品。
請求項19
前記合成繊維がポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアラミド、ポリウレタンまたはそのブレンドを含む請求項18の物品。
請求項20
前記天然繊維が、ウール、綿、絹、ラミー、ジュート、亜麻、マニラ麻、木材パルプ、またはそのブレンドを含む請求項18の物品。
請求項21
前記天然成分を使用した人造繊維が、再生セルロース、リヨセルまたはそのブレンドを含む請求項18の物品。
請求項22
前記少なくとも1つの官能基、分子またはクラスターが、ヒドロキシ、ヒドロキシ-アルキル、カルボキシル、アミン、アレーン、ニトリル、アミド、アルカン、アルケン、アルキン、アルコール、エーテル、エステル、アルデヒド、ケトン、ポリアミド、ポリ両親媒性物質、ジアゾニウム塩、金属塩、ピレニル、チオール、チオエーテル、スルフヒドリル、シラン、およびその組合から選択される1つ以上の化学基を含む請求項2の物品。
請求項23
前記ポリマー材料が、ナイロン、アクリル、メタクリル、エポキシ、シリコーンゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、アラミド、ポリカーボナート、ポリクロロプレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリパラピレンテレフタルアミド、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)、およびポリエステルエステルケトン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタート、バイトンフルオロエラストマー、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、およびその組合せより選択される単成分または多成分ポリマーから選択される請求項14の物品。
請求項24
使い捨てワイプ、再利用可能な布、衣料品、雑巾、モップ、ブラシ、パッド、または創傷被覆材の形態にある請求項1の物品。
請求項25
前記物品が、抗微生物性、抗ウイルス性、防止性、またはその組合せである請求項1の物品。
請求項26
前記物品が、表面からの汚染物質の除去をさらに強化するために、予め液体を染み込ませられる請求項1の物品。
請求項27
固体表面から少なくとも1つの汚染物質を除去する方法であって、前記方法は、前記固体表面を少なくとも1つのカーボンナノチューブを含有する物品に接触させることを含む方法。
請求項28
前記固体表面が、表面、製品、装置、道具、人員、文献、およびクリーンルーム中の生物材料、工業環境、医療環境、家庭環境、職場環境、軍事環境、公共空間、公共輸送機関、自動車、および学術環境を含む請求項27の方法。
請求項29
液体が、接触に先立って前記物品または前記固体表面のうちの少なくとも1つに適用される請求項27の方法。
請求項30
前記液体が、アルコール、界面活性剤、洗剤、および殺菌材の水溶液または非水溶液を含む請求項29の方法。
請求項31
固体表面から少なくとも1つの汚染物質を捕捉するか、および/または除去するための物品を作る方法であって、前記方法は、(a) 1つ以上のカーボンナノチューブを含む懸濁液に支持媒体を接触させ、カーボンナノチューブを注入された支持媒体を形成すること、(b) 前記カーボンナノチューブを注入された支持媒体を加熱し、前記懸濁液を実質的に乾燥させること、(c) 前記支持体を濯ぎ、遊離のカーボンナノチューブを除去すること、および(d) 前記濯がれた物品を乾燥させることを含む方法。
請求項32
固体表面から少なくとも1つの汚染物質を除去するための物品であって、前記物品は、固体表面から少なくとも1つの汚染物質を除去するために十分な量でカーボンナノチューブを含有する支持媒体を含み、ここで、前記カーボンナノチューブの大部分は少なくとも1つの欠陥、および/またはそこに結合される少なくとも1つの官能基、分子もしくはクラスターを有する物品。
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引用文献:
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